硫黄山


硫黄山
硫黄山

【日 時】2019年 9月21日(土)
【天 候】晴れ
【山 名】硫黄山(1562m)
【山 域】知床(北海道・知床)
【ルート】 (6:50)硫黄山登山口--(7:55)旧硫黄採掘跡--(8:45)新噴火口--(9:50)硫黄谷--
(11:40)ウプノシッタ川源頭--(12:10)硫黄山--(14:55)新噴火口--(16:30)硫黄山登山口
【所要時間】9時間40分
【メンバー 】単独


知床の時間は私の地域に比べて一時間くらい早い。朝起きてゴソゴソしていると同宿の人も起き出して私を見送ってくれた。五湖付近には朝早くにも拘わらず人が多い。地道を暫く進む。カムイワッカの滝の手前にカムイワッカの駐車場は狭いので長時間駐車する車はここへの黄色いテープがある。ここに車を停め出発。暫く進むとカムイワッカの滝の駐車場。広い駐車場だがシーズン中はここが一杯になるのか。カムイワッカの滝の案内書の横の通行申請書のポストに準備してきた書類投函。頑丈な鉄ゲートの横を抜ける。登山口は見えているカーブのところにある。僅かこの距離の道を通過するのにこのような手続きをふませることに疑問を感じる。

登山口にはルート図や「今あなたに求められるのは勇気と判断」と書かれた注意事項の看板がある。視界のない森の中をユックリ登っていく。森を抜けるとカムイワッカの湯の滝が下方に見える。‌西に目を移すとオホーツクの海に船が浮かんでいる。旧硫黄採掘跡はコンクリートで囲まれた平地。上方を眺めると中空に雲が掛かり山麓の所々に噴気が見える。植物が少なくゴロゴロとした岩の間を通るルートになる。硫黄の匂いのする噴気口の近くを通る。新噴火口が噴気帯の最上部。少し休憩。

ここからは傾斜は緩むがハイマツ帯となり木の根や隠れた岩があったりで歩きにくい。ルートは左側の谷に向かいながらついている。葉に着いた朝露でびしょ濡れになり、雨具を持ち出す。硫黄谷が左側に見えると至硫黄山の標識が現われる。ロープの混じる一気の急坂を下り沢に降りる。下降地点には谷を下って来たとき行き過ぎないためのロープが谷を横断して貼られている。

ここからは沢歩きになる。硫黄沢はかれ沢だが雨後で非常に滑りやすくなっている。水のない滑滝は滑りやすく左岸を巻いてみるが猛烈なヤブになり谷に戻る。所々に赤布があり巻き道になっている。基本的にはこの沢を辿って行けば良いのだが迷いやすい箇所も多い。二つ目あたりの巻きを通過して一服していると二匹の犬を連れた女性が登ってきて驚く。「降りてきたのか」と聞かれるが、「休憩中」と答える。あとからきた男性も一緒の様子。30代程のカップルの様子で非常に健脚。

彼らが先導しているので迷う心配はなく、あとは体力の問題。彼らが沢の赤茶けた右岸斜面から硫黄山を確認している。硫黄山の方向を確認して沢の源頭部を登る。白っぽい礫状の石になりウプノシッタ沢源頭からの稜線に出る。見上げる岩の上が硫黄山のようだ。一気の急坂となり第一前衛峰からのルートと合流。岩に塗られたペンキを追いながら見上げる急坂を登る。

山頂には先のカップルと羅臼から縦走してきた単独男性がいた。暫く休んでいると羅臼から縦走してきた若いカップルがやって来て山頂は賑やかになった。一等三角点の山頂は展望が良いはず。しかし絶えず薄い雲が流れ、羅臼方面や知床岳は見えない。しかし羅臼から知円別岳に走る稜線が望まれ、ウプノシッタ川源頭部の赤茶けた岩壁は原始的な迫力ある景観を呈している。

帰りも注意を要するところが多い。家内の登頂メールを送って下りに掛かる。ウプノシッタ川源頭部まで写真を撮りながらユックリ足を運ぶ。硫黄谷に入り犬連れのカップルが追い越していく。続いて縦走組のカップルも追い越していくが、追い越し際に「こんなとこ登って来たのか」と聞かれる。「下が滑りやすい」と答える。谷を降りたところで長いホイッスルが聞こえたので短い笛で応答。急坂を登って視界の効く地点から知床岳が望まれる。ハイマツ帯で二人の男性西洋人が登ってきたので驚く。これから登るのはムリと判断したようで直ぐ引き返していった。新噴火口に着き、やれやれといった感じで一服する。時間が経過するほど晴れ渡り振り返ると硫黄山、前方にオホーツクの海岸線が望まれるようになる。

噴気孔地帯に入る。普通に歩いていると硫黄塊に苔が生えているところで転倒。庇った手を少し痛める。足元には大きな丸い白いコケモモが実を付けている。雲は完全に取れ硫黄山がスッキリ。カムイワッカの滝つぼ辺りに人気はない。樹林帯に入り登山口。車のところに戻り、カムワッカ湯の滝駐車場に移動。説明版を読むと100mほどまでしか行けない様子。カムイワッカの温泉は以前は滝つぼまで行けましたが事故でもあったのか駐車場から100m足らずのところでロープが張られていた。ここで入浴を試みるのはひっきりなしにやってくる観光客の格好の見世物になりそうでやめ。

夕暮れ迫る林道を進むと鹿が沢山出てきて道路に溢れていた。立派な角の雄鹿に何匹か出会いましたが、写真は撮れず。五湖付近で、羅臼岳から硫黄山の稜線が夕焼けに染まっていた。岩尾別に立ち寄る。土曜日で着いたのが夕食時で地の涯ホテルもひっきりなしに利用客がやってきた。山小屋を覗くがこちらも翌日の登山に控えてか人が多い。ホテルの人に露天風呂の場所を確認。ライトとタオル着替えセットを持って真っ暗な状態で入浴。入浴後ライトを消してしまったのでライトを探すのにアタフタ。昨日の宿に戻り、同宿の人への感謝を告げる。網走まで移動し道の駅で車中泊。連休始めの土曜日で車が多い。

これで一等三角点百名山完登。2006年御前岳で王手をかけてから、13年後やっとトライでき、今回の目標の一つを達成できた。


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